園について

令和3年度事業報告

1.はじめに

令和3年度も新型コロナウイルス感染防止対策をとりながら保育を継続した1年でした。常に保育内容や保護者の参加を検討し、特に園見学や講師などの外部の方の受け入れは慎重に行いました。
保育の充実と感染拡大防止対策の両立の難しさを感じた1年になりました。

1月には、オミクロン株の急拡大により、休園措置を取る事態になりました。1日の発熱による欠席者がひとクラスに5名と集中し、その日のうちに陽性と判明しました。マスク着用に関しては、それ以降感染拡大防止対策を変更し、幼児クラスは室内ではマスクを着用するようにしました。それまでも検討していましたが、顔色がわかりにくい、呼吸状態への影響を考慮して実施しませんでした。園児は、家族との外出時などはすでに着用しているため、円滑に着用へ移行できました。

職員の感染拡大防止対策として、内閣府による PCR 検査の自主検査を6月末から8月末まで行いましたが、それ以降は、必要時に無料の PCR 検査、抗原定性検査を行い、保育士が安心して勤務できるようにしました。

利用率は、両園とも目標に達しませんでした。安井保育園は、転居による退園が複数ありました。
夙川さくらんぼ保育園の0歳児の入園は4月が3名、7月が2名となり定員に達しませんでした。
そのため、1歳児を1名増やしました。

5カ年計画の進捗状況としては、幼保連携型認定こども園への移行に向けては、12月の理事会で承認され、評議員会で報告しました。1月に3園の職員に理事長より説明して頂きました。幼保連携型認定こども園の担任に必須の幼稚園教諭免許の取得については、新たに幼稚園教諭免許取得講習受講に係る助成金制度規程」を制定しました。免許の更新が必要な保育士が正規職員・嘱託職員には、自己研修制度の利用を推奨し、2名が更新を終了しました。

夙川さくらんぼ保育園の閉園は予定通り令和5年3月末と決定しています。その後の受け入れ先である安井保育園の新入園児の受け入れ人数を令和3年度より調整しました。

年末保育については、2年目になり、夙川さくら保育園で行い、2名の利用がありました。

子育て支援の相談窓口の充実については、子育て支援担当が中心に行いました。一時預かり利用者や園見学者などからの相談があり、令和2年度より10件増加しました。

働きやすい職場をめざして、パワーハラスメントチェックを行い、面談を行いました。また、事務量の軽減を目的に書類の記入や提出方法を検討しました。

2.事業報告

1)施設を利用される保護者と手を携え、安心して預けていただける施設運営・保育内容を心がけます。

(ア)安井保育園は最大受け入れ人数を108名(定員90名)120%とします。
⇒12月に4名の退園があり、年間の平均利用率は119.2%になりました。

年齢 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 平均 前年度
0 歳 11 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 11.9 12
1,2 歳 36 35 36 36 36 36 36 36 37 36 36 36 36.0 36.9
3 歳 18 19 19 19 19 19 19 19 19 18 18 18 18.6 20.5
4,5 歳 41 41 41 41 41 41 41 41 41 40 40 40 40.7 38
合計 106 107 108 108 108 108 108 108 109 106 106 106 107.3 107.5
利用率 117.7 118.8 120.0 120.0 120.0 120.0 120.0 120.0 121.1 117.7 117.7 117.7 119.2 119.4

夙川さくらんぼ保育園は最大受け入れ人数を21名(定員20名)105%とします。
⇒0歳児の入園希望が少なく平均利用率は89.1%となりました。

年齢 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 平均 前年度
0 歳 3 3 3 5 5 5 5 5 5 5 5 5 4.5 7.0
1,2 歳 13 14 14 14 14 13 13 13 13 13 13 13 13.3 13.5
合計 16 17 17 19 19 18 18 18 18 18 18 18 17.8 20.5
利用率 80.0 85.0 85.0 95.0 95.0 90.0 90.0 90.0 90.0 90.0 90.0 90.0 89.1 105.0

(イ)遊びを通して5つの領域「健康」「人間関係」「環境」「言葉」「表現」をもとに発達を支援します。
①保育士が安心できる存在になり、愛着形成を築きます。
⇒0歳児、1歳児の新入園児が、安心して保育園の生活を送れるようクラス担任が中心に関わりました。園児の思いを受け止め、肯定的に応答するようにしました。

②園児が主体的に遊べるように保育室の環境を定期的に見直します。
⇒クラス担任が、園児の発達に環境があっているか見直し、保育室の環境を整備しました。

③月齢、年齢に合った遊びやリズムを取り入れ体を動かして遊ぶことを大切にします。
⇒2歳児は毎朝、リズムを行い、0歳児、1歳児は、各クラス内でグループに分かれて行いました。

④歩行の安定、しっかり歩くことを目的に、年齢に合った散歩活動を行います。
⇒プール・水遊びの時期を除いて、散歩活動を積極的に行いました。

⑤クッキング保育を取り入れ、食材、栽培、食への関心を高め、生涯、食べることを大切にできるようにします。
⇒各クラスで栽培した野菜をクッキングに使い、給食として食べることで、食への関心を高めました。給食を園児がお弁当箱に詰めるお弁当クッキングや、5歳児が親子でつくる親子クッキングを行いました。

⑥絵本の読み聞かせや絵本の貸し出しを行うことで、聞き取る力、想像する力を培い、豊かな感性を育みます。
⇒3歳児以上の幼児クラスは、毎週1回、園児が選んだ絵本を持ち帰り家庭で読んでもらいました。各クラスでも絵本をそろえ、園児が自由に読めるようにしました。

⑦3歳児クラスの生活加配、1歳児クラス、4歳児クラス、5歳児クラスにあゆみ保育の加配保育士を配置し支援を行います。
⇒障がいの加配保育士は、対象園児の個別カリキュラムをたて、安心して保育園生活が送れるように支援しました。

⑧栄養士、調理員、保育士が協力し、離乳食、アレルギー児対応を行い、安心して食べられるようにします。
⇒医師の指示書をもとにクラス担任が保護者から聞きとりし、栄養士、調理員と協力しました。調理から保育士への渡し方、配膳方法の確認を行い提供しました。

⑨栄養士を中心に食への関心を高める取りくみを定期的に行います。
⇒季節ごとの行事に合わせたメニューを提供しました。5歳児に給食メニューのリクエストを聞き、そのメニューを3月に提供しました。

⑩子育て支援担当による健康面、栄養面の講座や子育て相談、アドバイス等の子育て支援を行います。
⇒地域子育て支援事業として、離乳食講座を行い、栄養士と相談に応じました。

(ウ)年末保育の実施を夙川さくら保育園と共同で行います。
⇒安井保育園 1 名、夙川さくらんぼ保育園 1 名の利用があり、夙川さくら保育園で保育しました。

(エ)保護者同士がつながる場として、また、卒園児の保護者にも利用していただけるように土曜日の保育室の開放を行います。
⇒3月に利用希望がありホールを利用していただきました。

2)保育の質の向上のために

(ア)全職員で、保育園の経営状況や事業計画、進捗状況等の園内研修を持ち、共通理解できるように努めます。
⇒職員対象に説明を行いました。認定こども園への移行決定後は、理事長による説明会を行いました。

(イ)年2回の自己評価、会議や面談で職員の意見を徴取し、運営に反映させます。
⇒法人の理念行動評価をもとに各自の自己評価を行い、それをもとに面談しました。

(ウ)職員の意見を聞き必要な業務改善を行い、働きやすい職場を作ります。
⇒面談を行い、業務改善できるところは、意見を聞きながら進めました。

(エ)虐待を防ぐ取り組みとして、人権委員会による振り返りチェックリストを年に4回行い、保育士自身の保育、関わりを見つめなおします。
⇒人権委員会が中心になり、チェックリストの項目を見直し、振り返りを行いました。

(オ)虐待防止対策を年に2回開催し、全職員が出席し、意見を交換し、人権を尊重した保育を行います。
⇒年に2回、グループワークを行い、職員自らが人権意識を高めるようにしました。

(カ)パワーハラスメント、セクシャルハラスメント防止の研修会を年に2回行い、職員同士が尊重し合って働く職場を作ります。
⇒研修会は新年度直前の全体会議時に行い、以降はハラスメントチェック後に少人数の安井保育園―4グループによる振り返りを行いました。職員会議でその都度、お互いを尊重することの必要性を伝えました。

(キ)目標管理シートを基に自らの課題と目標を明確にし、スキルアップと人材育成につなげます。
⇒4月当初に目標設定の面談を行い以降、中間と年度末に面談を行いました。

(ク)個人の経験と課題に応じたキャリアアップ研修を、計画的に受講します。
⇒4分野に正規職員16人が延べ35項目、嘱託職員が延べ4名、5項目を受講しました。

(ケ)「障がい児への対応」、「医療的ケアの必要とする子どもへの対応」等について、法人内の事業所と協力し研修を行い、受け入れ体制を作ります。
⇒役職と管理職3名が『医療的ケア児の支援』の研修(4回)に出席しました。他の保育園での受け入れ実践の公開講座を受講しました。

(コ)研修終了後は職員会議などで報告し、皆で学び合う機会を持ちます。
⇒外部研修内容のポイントを職員会議時に報告しました。

(サ)3園で担当者交流・交換研修などを積極的に行います。
⇒安井保育園の保育士3名、夙川さくらんぼ保育園の保育士1名が交換研修を行いました。

(シ)夙川さくら保育園の栄養士と常に情報共有し、安心・安全な給食や季節感や行事食の献立など食育の取り組みを進めていきます。
⇒栄養士、調理師と常に情報交換し、アレルギー対応などの事故が起こらないように注意しました。コロナによる休園、クラス閉鎖時の食材に無駄が無いように管理しました。

(ス)外部講師を招きクラス別に保育指導を受け、全体学習会を行い、各クラスの保育に生かします。
⇒緊急事態宣言、蔓延防止措置の発令に伴い、保育指導は、5歳児と0歳児クラスの計2回の実施となり、各回とも保育指導後に学習会を行いました。

(セ)認定こども園への移行に向けて、研修会を行い理解を深め、幼稚園教諭免許の更新、取得をすすめます。
⇒管理職が兵庫県主催の移行に向けての説明会に出席しました。幼稚園教諭の免許更新を4名の保育士が行いました。取得のための受講は、対象職員4名中1名が修了しました。

3)地域子育て支援及び地域との交流

(ア)地域の方々との異世代交流(高齢者、学生など)を積極的に行います。
⇒コロナ感染拡大防止のため、地域の方との交流は行えませんでした。

(イ)法人内の高齢者施設(甲寿園)、児童発達支援センター(北山学園)との交流を計画的に行います。
⇒法人内の高齢施設とは、5歳児と4歳児クラスが各 1 回、保育園での取り組みを伝え、お手紙をもらいました。

(ウ)青年愛護協議会に参加し他団体と情報交流を行い、地域の子育て支援の為の協力関係を築いていきます。
⇒青年愛護協議会は3回開催されました。学校や地域の子ども高齢者、障害がある人のコロナ禍での生活の様子を情報として得ました。

(エ)子育て支援担当者が中心となり、育児講座、保育体験、地域子育て新聞の発行、園庭開放、地域への情報提供を積極的に行います。
⇒地域子育て新聞をよいこネットで配信を始めました。1週間で100件以上のアクセスがありました。栄養士が給食のメニューを毎週、合計54回配信しました。

(オ)行事、合同避難訓練などの園行事への参加を近隣の皆様に呼びかけ、地域の保育園として、緊急時には協力体制等を取り合える関係となるよう心がけます。
⇒園行事への参加の案内は行いませんでした。合同避難訓練は自治会の方に避難時の誘導の協力を得て行いました。

(カ)地域の方や大学生などのボランティアを積極的に募ったり、看護師や音楽講師などの派遣を受ける等、人材の活用を進めていきます。
⇒育児講座としてベビーマッサージを地域の看護師に依頼しました。リトミックは音楽講師に依頼しました。

(キ)地域の小学校との交流の機会を持ち、地域とつながりをもつことで、就学前の保育内容を豊かにし、円滑に就学できるようにします。
⇒交流の機会を設定できませんでした。下半期に予定していた小学校見学は中止になったため、参加できませんでした。

(ク)地域の活動に参加し、地域とのつながりを大切にします。
⇒12月に安井地区のクリーン大作戦に参加しました。

内容 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 合計
地域交流 0 0 0 0 0 1 0 1 0 0 0 0 2回
育児相談 8 4 1 2 5 2 2 2 2 2 30件
体験保育 0
短期体験保育 0
子育て教室 6 8 14組
育児講座 7 16 8 31組
子育て情報誌 260 260 260 260 300 300 1640部
園庭開放 53 36 12 101組
よいこネット配信 4 4 4 3 7 5 6 3 5 3 6 5 55回

4)安心・安全・快適な環境づくり

(ア)新型コロナウイルスを含む感染症の感染防止策をとり、安全に保育を継続します。
⇒基本的な感染防止対策を度々注意喚起しました。1月末の休園以降、幼児クラスはマスクを着用しました。

(イ)毎月、避難訓練を計画します。火災、不審者対応・地震津波対応の訓練等を行い、あらゆる場面を想定した訓練を実施します。消火訓練は毎月行います。
⇒火災、不審者対応、地震津波対応の訓練を行いました。消火訓練では水消火器を使った訓練を全職員対象に行いました。

(ウ)毎月設備の安全点検を行い、複数の職員の目で安全確認を行います。又修理の必要な個所については、すみやかに対応します。
⇒各クラスは担任用と保育室用に分けて行いました。保育室の点検は担任以外も行い複数の目で環境を確認しました。

(エ)乳幼児突然死症候群(SIDS)や誤食、アレルギー除去対応、園外保育等のマニュアルを活用し、定期的に研修会を開き事故防止を図ります。
⇒エピペンの使用、AEDの用についての学習会を行いました。アレルギー対応は、栄養士を中心に注意喚起を行いました。

(オ)ヒヤリハット報告を分析し、解決策等を共有し、事故を未然に防ぐための力をつけます。
⇒報告用紙を更新し、全職員が出勤時に確認できるようにしました。他園や就学前の児童の事故の報道を周知し、事故予防に努めました。

(カ)設備・環境整備
安井保育園
・電気設備の点検、キュービクルの新設を行い、電気を安全に使用できるようにします。
⇒電力使用量の抑制を目的に電灯のLED化、エアコンの更新を行いました。また、キュービクルの設置を業者と再検討した結果、キュービクルの設置場所、費用等を考慮して新設しないことにしました。

・安全カメラの更新をします。
⇒玄関入口、駐輪場、園庭南側を更新し、園庭に新たに 1 台設置しました。

・3歳児、4歳児、5歳児の部屋の天井扇5台を更新します。
⇒天井扇の更新は行いませんでした。

・保育室1室に床暖房を設置します。
⇒予定していた5歳児の保育室は、となりの4歳児の保育室と開閉が可能な吊りパーティションと区切っています。床暖房は床が高くなり、パーティションとの隙間がなくなり開閉が困難になるため、再検討した結果、中止しました。

・玄関、園庭の出入り口にマットを設置します。
⇒玄関、各トイレ前にリースのマットを設置し、清潔に使用できるようにしました。

・紙おむつの処分を園で行うようにします。
⇒衛生管理のため4月から園での処分を開始しました。

・公用車を新規でリース契約します。
⇒新車の納車が契約から約3カ月かかり、車検の満了日に間に合わないため、新規契約は令和4年度にします。

5)一時預かり事業

(ア)年間利用者数の目標を、2,400名以上とします。
⇒8月は幼稚園児の利用が増えました。0歳児の利用が前年度より約1.4倍増えました。1月以降、閉園、クラス閉鎖の影響により利用が減少しました。

年齢 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 合計 前年度
0歳児 2 7 14 17 14 21 23 33 34 30 8 27 230名 164名
1歳児 31 32 38 37 31 41 68 70 62 34 33 55 532名 418名
2歳児 63 49 71 79 39 44 57 76 56 35 19 41 629名 686名
3~5
歳児
56 8 8 47 128 4 19 5 45 19 2 45 386名 277名
合計 152 96 131 180 212 110 167 184 197 118 62 168 1,777名 1,545名

(イ)利用される保護者の要望には柔軟に対応し、子育てに関する相談・助言などを積極的に行います。
⇒利用する子どもに気になる様子が見られた時は、送迎時に保護者に声をかけ相談に対応しました。また、職員配置を柔軟にし、安全に保育できるようにしました。

(ウ)利用する子どもが安心して保育を受けることができるようきめ細やかな保育を心がけます。また、同年齢の在園児のクラスに入り交流し様々な経験ができるようにします。
⇒朝8:30の受け入れ希望者は在園クラスで受け入れました。同年齢児と遊ぶことができるように、同年齢児のクラスにも入りました。

(エ)利用される子どもの年齢や育ちに応じた環境を整えます。
⇒保育室の環境は、利用する子どもの状況に応じて変更し、安全に利用できるようにしました。

(オ)子育て支援担当と連携し、園で行っている子育て支援事業への参加を促し、育児不安などの支援に努めます。
⇒子育て支援事業の案内をしました。園見学時や送迎時に育児相談を受けました。

令和3年度事業報告

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